積立投資とは?買い時を探さなくていい理由と、積立でも残るリスク

カレンダーと、上下する値段の線に等間隔の印が付いたイラスト。「積立投資って何がいいの? リスクをひとつ減らす買い方」

新NISAを始めようと、商品と金額を決めて積立の設定画面を開く。いざ設定しようとすると、ふと手が止まることがあります。

今日始めていいのか。買った直後に下がったらどうしよう。もう少し待ったほうがいいのではないか。

この「いつ買うか」で悩み始めると、なかなか答えは出ません。積立投資は、そんな買い時の判断を毎回しなくてよくするための買い方です。

ただし、積立にすれば投資のリスクがすべて小さくなるわけではありません。いま感じている不安は、次の2つに分けて考える必要があります。

リスクの違い
買うタイミングのリスク値下がりのリスク
高い日に買ってしまうかもしれない買ったあと、値段そのものが下がる

積立投資で減らせるのは、このうち買うタイミングのリスクです。一方、積立で買っても、値下がりのリスクは減らせません。

この記事では、この2つを分けながら、積立投資のメリットとデメリットを見ていきます。

目次

積立投資とは、最初に決めた内容で自動的に買い続ける方法

最初に「どの商品を」「いくら」「いつ買うか」を設定しておくと、あとは決めた日が来るたびに自動で買われます。毎回、自分で注文する必要はありません。次の月からは、その日の値段が高くても安くても、同じ設定で買付が続きます。

マネリス
つみたて投資枠を選べば、それが積立投資ってこと?
ヤクマネ
つみたて投資枠は枠の名前、積立投資は買い方の名前です。

よくある勘違い:「つみたて投資枠」と「積立投資」は同じもの?

新NISAには、つみたて投資枠と成長投資枠という2つの枠があります。つみたて投資枠で買えるのは積立だけなので、この枠を使えば、買い方は自動的に積立になります。

一方、積立という買い方は成長投資枠でも使えます。そのため、積立で買っているからといって、必ずつみたて投資枠を使っているとは限りません。どの枠を使うかと、どう買うかは別の話です。

つみたて投資枠と成長投資枠の使い分け:2つの枠をどう使い分けるかをまとめた記事です。

※ 新NISAの制度そのものは新NISAとはにまとめています。

積立投資のいちばんの特徴は、買うたびに値段を見て日を決めないことです。ここから見ていくメリットとデメリットは、どちらもこの仕組みから生まれます。

積立投資のメリットは2つ

買い時を当てにいかなくていい

同じ商品でも、値段は日によって上がったり下がったりします。一番安い日に買えれば有利ですが、どの日が一番安かったのかは、あとにならないと分かりません。よく考えて選んだ日が、振り返ってみればその期間で一番高い日だった、ということもあります。

積立では、買う日があらかじめ決まっています。その日になれば、値段が高くても安くても自動で買われるため、自分で買い時を見極める必要はありません。

高い日にまとめて買うリスクを減らせる

値段が上下しても毎月同じ日に買い続けるので、買う日が高いところにも安いところにも散らばる

毎月同じ金額で買うと、値段が高い日には少ない量を、安い日には多い量を買うことになります。意識して狙わなくても、買う量が値段に応じて変わる仕組みです。これを続けることで、購入単価が一時期の値段だけに左右されにくくなります。

まとまったお金で一度に買う場合は、その日の値段が自分の買値を大きく左右します。積立は買う日が何回にも分かれるため、高い時期にすべて買ってしまうリスクを減らせます。

このように、一定の金額で定期的に買う方法は「ドルコスト平均法」と呼ばれます。積立投資とは別の方法があるわけではなく、積立で使われる買い方の名前です。

積立が初心者向けと言われるのは、この2つがあるからです。相場を読む知識がなくても、毎日値段を確認する時間がなくても続けやすくなります。

積立投資のデメリットも2つ

一番安い日だけを選んで買うことはできない

買う日を分けるということは、安い日にも高い日にも買うということです。安い日だけを選んで買うことは、積立の仕組み上できません。

マネリス
じゃあ、一括で買ったほうがよかった場合もあるの?
ヤクマネ
上がり続けた期間なら、先にまとめて買ったほうが多く持てます。

まとまったお金で一度に買う「一括」と並べてみると、違いは次のとおりです。

一括積立
買い方1日でまとめて買う毎月少しずつ買う
上がり続けた期間安いうちに多く買えて有利あとになるほど買える量が減る
下がってから戻った期間高い買値を抱えたまま戻りを待つ下がった時期にも安く買える

どちらが有利だったかは、あとにならないと分かりません。積立では、一番安い日にまとめて買うことはできませんが、同時に一番高い日に全額を買ってしまうことも避けられます。

同じ金額でも、高い日にまとめて買うと買える量は少なく、毎月に分けて買うとその中間になり、安い日にまとめて買うと多くなる

積立は、最も大きな利益を狙う買い方というより、買うタイミングによって結果が大きく変わることを避ける買い方です。

短い期間では成果を判断しにくい

積立投資は、買う日を分けて、時間をかける買い方です。始めて数か月の損益だけでは、この買い方がよかったかどうかを判断できません。

では、何年くらい続ければよいのか。金融庁の資料には、1989年以降、国内外の株式と債券に毎月同じ額を積み立て、5年間または20年間保有した場合の結果が示されています。この資料では、5年間の保有では元本割れしたケースがあった一方、20年間の保有では元本割れしたケースはありませんでした。

ただし、これは過去の一定期間をもとにしたシミュレーションです。これからも同じ結果になるとは限らず、「何年続ければ必ず大丈夫」という答えもありません。短い期間で成果を求める買い方ではない、という目安として見ておきましょう。

下がるまで待ったほうがいい?

いまは高い気がするから、もう少し下がってから始めたい。そう思うのは自然なことです。

ただ、下がるのを待っているあいだは、値段を見ながら「まだ待つか、もう買うか」を自分で判断し続けることになります。積立を選んだのに、始める前だけは自分で買い時を探している状態です。

積立にとって、最初に買う日の値段は、この先何十回と買っていくうちの1回分です。買付を続けるほど、最初の1回が全体に与える影響は小さくなっていきます。

もちろん、始める前に生活費や近いうちに使うお金を確保しておくことは必要です。そのうえで積立に回せるお金が決まっているなら、値下がりを待ち続けるより、決めた日から始めるほうが積立の仕組みを生かせます。

積立でも変わらないこと——値下がりのリスク

積立なら元本割れしない?

買った商品が値下がりすれば、持っている分の価値も下がります。投資信託に元本の保証はなく、出したお金を下回ることもあります。

積立で減らせるのは、買う日が一時期に偏ることによる不利です。商品の値段が下がること自体は防げません。

値下がりしたとき、やめたほうがいいのか

マネリス
値下がりしているのに、このまま積立を続けて大丈夫?
ヤクマネ
値下がりだけで、続けるかやめるかを決めることはできません。

値下がりしているということを整理すると、①これから買う分は同じ金額で多く買える、②すでに買っていた分の価値が今は下がっている、ということです。

①も②も、いまの時点の話で、損か得かはまだ決まっていません。そのあと値段が戻れば、安く買えた分は利益になります。値段が戻らなければ、安く買えた分にも損失が出ます。

相場が下がったから積立をやめようかと考えるとき、判断しようとしているのは「いまが底なのか、まだ下がるのか」です。これは、始める前に買い時を探すのと同じように、簡単には答えを出せません。

積立を続けるか迷ったときは、値下がりだけで決めず、予定していた期間や商品を選んだ理由に変わりがないかも確認してみてください。

よくある質問

毎日・毎週・毎月は、どう違いますか?

積立の頻度は、毎日・毎週・毎月などがありますが、選べる頻度や指定できる日は、金融機関や支払方法によって異なります。どの頻度でも、決められた日に自動で買われるという仕組みは同じです。

毎月いくらから始められますか?

100円や1,000円といった少額から積み立てられる金融機関もあります。最低金額は金融機関によって異なります。

生活が苦しくなったら、積立をやめてもいいですか?

生活が苦しいのに、無理をして続ける必要はありません。積立額を減らす、しばらく休むという選び方もできます。手続きは、口座を持っている金融機関で行えます。

積立をやめると、それまでに買った分はどうなりますか?

積立をやめることと、持っている分を売ることは別の操作です。積立をやめても、それまでに買った分は口座にそのまま残ります。残った分も手放したいときは、売る操作が必要です。

まとめ

最初に分けた2つのリスクのうち、積立で減らせるのは、買うタイミングのリスクです。買う日をあらかじめ決めておけば、値段が動くたびに「いま買うべきか」と悩まなくて済みます。

一方、買った商品の値段が下がるリスクは、積立でも残ります。このリスクとの付き合い方は、積立にするかどうかだけでなく、何を買うか、どのくらいの期間持つかによっても変わります。

買うタイミングを積立の仕組みにまかせる準備ができたら、次は積み立てる商品を考えていきましょう。

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