新NISAを始めようと口座の申込み画面を開くと、見慣れない言葉が並んでいて手が止まることがあります。そのうえ、口座を申し込んでも、それだけではまだ1円も買われません。買付が始まるまでには3つの段階があります。金融機関によって画面や細かな手順は違いますが、申込みから積立設定までの大きな流れは同じです。この記事では、その3つの段階を順にたどりながら、つまずきやすいところを説明していきます。
※ どこで口座を開くかがまだ決まっていない方は、先に証券会社・金融機関の選び方を読むと決めやすくなります。
申込みから買付が始まるまでの3つの段階


①では、証券総合口座とNISA口座をいっしょに申し込みます。株や投資信託を売り買いする口座の中に、NISA口座が作られる形です。
申し込んだその日に買付が始まることはありません。②で口座ができるのを待つ時間があるからです。どれくらい待つかは、書類をどう出すかで変わります。
1. 口座を申し込む
口座を開くのにも、持ち続けるのにも、お金は基本的にかかりません。申込みの画面は、金融機関ごとに見た目も並び方も違いますが、入力する中身はほとんど変わりません。
用意するのは、大きく2種類の書類
口座を開けるのは、その年の1月1日の時点で18歳以上で、日本国内に住んでいる人です。条件を満たしていれば、用意するのは次の2種類です。
- 本人確認書類 … 運転免許証など、顔写真と住所が確認できるもの
- マイナンバーが分かるもの … マイナンバーカード、マイナンバーが書かれた住民票など
パスポートや通知カードも使えますが、パスポートは住所欄がないと使えないことがあり、通知カードは住民票と記載が合っている場合に限られます。使える書類は、申込み画面の一覧で確かめられます。
書類の出し方は、オンラインと郵送の2通り
オンラインで出すほうが、口座ができるまでの日数は短くなります。郵送だと、書類が届いて中身を確認されるまでの日数が加わるからです。急いでいないなら郵送でもかまいません。
用意する書類も少し変わります。マイナンバーカードを持っていれば、オンラインなら1枚で両方を兼ねられることが多く、郵送では追加の書類が必要になることがあります。
口座ができるまでの日数に、③で積立を設定してから最初の買付日を迎えるまでの日数が加わります。申し込んでから最初の買付日までは、早ければ1週間ほど、書類を郵送でやり取りすると3週間〜1か月ほどです。この日数は目安で、金融機関や申込み方法、選ぶ買付日によって前後します。
画面で出てくる言葉は3つ
申込みの途中で、次の3つの言葉が出てきます。
| 画面に出てくる言葉 | 何をするための口座か |
|---|---|
| 証券総合口座 | 株や投資信託を売り買いするための、土台になる口座 |
| 特定口座 | NISA以外で買ったときの、税金の計算を任せる口座 |
| NISA口座 | 利益に税金がかからない口座 |
銀行でNISA口座を開く場合は、1つ目が「投資信託口座」という名前になります。あとの2つは同じです。
この3つは、1回の申込みでまとめて手続きできます。
特定口座には「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」があります。「あり」にしておくと、NISA以外で買った分の税金を、金融機関が代わりに計算して納めてくれます。NISA口座の中で買った分には税金がかからないので、この設定がNISAの結果を変えることはありません。
NISA口座は、同じ年に1つの金融機関でしか使えない
NISA口座で新しく買えるのは、1年につき1つの金融機関だけです。つみたて投資枠をこの会社、成長投資枠は別の会社、という分け方はできません。
すでにほかの金融機関でNISA口座を使っている場合、その年に新しく買えるのは、これまで使ってきた口座のほうです。
金融機関は1年ごとに変えられます。その年にすでにNISA口座で買っていれば、変えられるのは翌年からです。ただし、変える前に買った商品は、新しい金融機関へ移せません。その商品は元の金融機関に残ったままになるので、変更した後は、2つの金融機関にNISAの商品が分かれて置かれることになります。
2. 口座ができるまで待つ
口座ができたという連絡が来るまで、積立の設定には進めません。
マネリス


金融機関は口座を作り、税務署は、ほかの金融機関にNISA口座がないかを確認します。クレジットカードの申込みのように、収入や借入をもとに判断されるものではありません。この2つは別々に進むので、多くの金融機関では、税務署の確認が終わるのを待たずに取引を始められます。待つのは、税務署の確認ではなく、金融機関からの「口座ができた」という連絡のほうです。
口座ができるのを待つ間に、積立のお金を引き落とす銀行口座を決めて、そこにお金を入れておくとよいでしょう。
3. 積立を設定する
ログインして、積立の設定をします。決めるのは、次のことです。
- どの枠で買うか
- どの商品を買うか
- 毎月いくら積み立てるか
- どうやって払うか、いつ買うか
金額と商品は、あとから変えられる
画面を前にして手が止まるのは、たいてい「これを選んで大丈夫だろうか」というところです。
毎月の積立額と買う商品は、始めたあとでも変更できます。積立をやめることもでき、変更や停止に手数料がかかることもまずありません。別の商品に切り替えても、それまでに買った商品は売らずに持ち続けられます。最初から一つの答えに決めきる必要はありません。無理のない内容で始め、あとから見直していけば大丈夫です。
どの枠で買うか
新NISAには、つみたて投資枠と成長投資枠の2つがあります。はじめのうちは、つみたて投資枠を選んでおくと迷いが少なくなります。つみたて投資枠で買えるのは、長期の積立に向くと国が決めた条件を満たした投資信託に限られていて、選ぶ範囲がしぼられているからです。
2つの枠の違いと使い分けはつみたて投資枠と成長投資枠の使い分けにまとめています。
どの商品を買うか
枠の中で、実際に買う商品を選びます。投資信託は、いろいろな投資先をまとめて1つにした商品です。中身の仕組みと選ぶときの見方は投資信託とはにまとめています。
毎月いくら積み立てるか
金融機関によって、月100円や1,000円から設定できます。つみたて投資枠は1年で120万円までなので、毎月同じ額にするなら月10万円が上限です。
最初の金額は、毎月の生活に響かない範囲で決めれば十分です。
どうやって払うか、いつ買うか
積立代金の払い方は、金融機関によって異なります。多いのは、銀行口座からの引き落としと、クレジットカード払いです。対応するクレジットカードを持っていなくても、銀行口座からの引き落としなど、カードを使わない方法で始められます。
買付日(積立日)も決めます。選べる日は、払い方と、引き落としに使う銀行で変わります。組み合わせでみると、大きく3通りです。
| どうやって払うか | 選べる買付日 |
|---|---|
| 口座を開いた会社と提携した銀行から引き落とす | 月内でほぼ自由に選べる |
| それ以外の銀行から引き落とす | 決まった数日から選ぶ |
| クレジットカードで払う | 数日から選ぶか、固定されている |
実際に選べる日は、設定画面に出ています。
銀行口座からの引き落としなら、代金は買付日の少し前に引かれます。引き落としのタイミングは、金融機関によって違います。日を選べるなら、給与など毎月の収入が入った後の日にしておくと、残高不足を防ぎやすくなります。
クレジットカードで払う場合は、代金が引かれるのは買付日ではなく、カードの支払日です。
はじめての設定では、設定した日から選んだ買付日までが近いと手続きが間に合わず、最初の買付が翌月になることがあります。
払い方によっては、買付日だけを変えることができず、払い方から選び直すことになります。
ここまで入力・確定すれば、設定は終わりです。
設定した日には、まだ何も買われていない






設定した内容が画面の一覧に出てくるまで、金融機関によっては1日ほどかかります。設定した直後に一覧が空でも、失敗したとは限りません。次にいつ買われるかは、この一覧で確かめられます。
買付が始まらないときに見る4か所
買付日を過ぎても買われていないときは、次の4か所を見ると、たいていは原因が見つかります。表のはじめの2つは、自分が選んだ払い方のほうだけ見れば大丈夫です。
| 見るところ | 確かめること |
|---|---|
| 引き落とし元の口座 | 買付日の前に、必要なお金が入っているか |
| クレジットカードの状態 | 利用できる枠が残っているか、有効期限が切れていないか |
| 設定の一覧 | 最後の確認ボタンまで進んで、設定が表示されているか |
| 次の買付日 | 設定した買付日が、まだ先の日付になっていないか |
4つのどれにも当てはまらないときは、金融機関の問い合わせ窓口で確認できます。
買付が始まれば、あとは自動で続く
最初の買付が終わったら、次の月からは同じ設定のまま自動的に積立が続きます。毎月ログインして操作する必要はありません。ただし、残高不足などで買付できない場合もあるため、買付の記録(取引履歴)はときどき確認しましょう。
買った投資信託の値段は、営業日に1日1回決まります。土日や祝日は、新しい値段が出ません。増えることもあれば減ることもあり、元本が保証されているわけではありません。
自分で操作するのは、申込みと設定だけです。あとは、ときどき様子を確認しながら続けていけば大丈夫です。
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参考情報
出典の一覧を見る
- NISAを知る(金融庁) — NISA口座は1人1口座であることと、口座を開設できるのはその年の1月1日時点で18歳以上であることを確認できる
- 通知カードについて(マイナンバーカード総合サイト) — 通知カードは、記載された氏名・住所が現在の住民票と一致している場合に限り、マイナンバーの確認書類として使い続けられることを確認できる
- NISAのよくある質問(日本証券業協会) — NISA口座で新しく投資できるのは1人につき1つの金融機関に限られること、その年に買付けがあるとその年中は金融機関を変更できないこと、金融機関を変更した場合は変更前に買い付けた商品を新しい金融機関へ移せないことを確認できる
- NISA口座開設手続の簡素化について(金融庁) — 申込み後、税務署による二重口座の確認が完了する前でも取引を開始できるようになった制度改正を確認できる
- つみたて投資枠対象商品(金融庁) — つみたて投資枠で買える商品は、運用会社が金融庁へ届け出たものに限られ、その一覧を確認できる
- No.1476 特定口座制度(国税庁) — 特定口座(源泉徴収あり)を選ぶと、上場株式等の譲渡による所得を申告不要にできることを確認できる
- 基準価額と分配金(資産運用業協会) — 投資信託の基準価額が、1日に1つの価額として算出・公表されることを確認できる





